ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

午後の汀

kaepole2011-09-18

東儀秀樹×古澤巌のコンサートに行ってきました。
雅楽の笛と、バイオリン、という組み合わせから、
クラシカルな、シックなステージを想像してましたら、
それがちょっと違いまして、
なんていうか、かなり「歌謡ショー」的な雰囲気。
バックは、ピアノ・ベース・ドラムス・シンセサイザーという編成。
このシンセのせいなのかなぁこんなにポップなのは・・、と始め考えてたんですが、
どうやらそれだけではないということに、途中で気付きました。
会場がですね、圧倒的におばさま&おばあさまで埋め尽くされてるんですね、
でですね、みなさまお声が黄色いのですよ・・・・
あああ。
知らなかったけど、雅楽師は、「スタァ」だったのですね。
2部の初めに、狩衣姿で、客席の間を笙を吹きながら登場され、
古澤さんも、平安時代天皇みたいな衣装で、「弾きにくいです」とか言いながら演奏されてたそのあたりから、
また着替えて、それぞれのソロをじっくり聴かせてくれたしばらくは、
私としては、すごく堪能させてもらえてよかったのですが、
逆におばさま方は、ピアノ&バイオリンで知らない曲とか、ちょっとたいくつだったらしく、
やたら咳をしたり、なにやらビニルみたいなのをガサガサ音立てたり。
正直、何度か「しーっ!」って言いたくなりましたよ、もう。
それ以外の時も、私の右隣のお二人はけっこう自由におしゃべりされてましたし、
後ろのおばあちゃんは、東儀さんの話に「ふんふん」「へぇぇ」「ほんまやなぁ」と全部声に出して相槌三昧。
まぁ、そういうコンサートなんだと思えば、微笑ましいですけどね。
最後なんて、総立ちで、ノリノリで、じつに楽しそう。
そのパワーに、私なんぞはたじろいでしまって、ついていけなかったのですが・・・。
終演後、握手会があるとのことで、それに参加しない人の群れは一斉に駅へ向かう流れとなるわけですが、
横断歩道のところで溜って、周りの人の会話が耳に入ってくるにつけ、
やっぱり、音を聴きたくてきた人にとっては、少々間違えた感が残ったようで、
そうでなければきっと、CD買って握手してもらってただろうけれど、今日はちょっと遠慮したい感じね・・、
「だね。」と心の中で思いながら、帰路についた次第です。
とはいえ、念のため強く申し上げさせていただきますが、
純粋にお二方の演奏に関しては、とてもとてもすばらしいものでした!
オーディエンス等の諸要素を差し引いて、できるだけ集中して聴かせてもらって、
つくづく、一流だ、と。コンサート中、何度もそう思いました。
端正で、かつ、七変化な音色は、有無を言わせないものがありました。
そして、ついていけなかったとはいえ、とても楽しかった! 楽しそうに演奏されてる姿に、ニコニコしてしまいました。
またどこかで、ちゃんと聴けたらいいな、
そしたらきっと、私も立ちあがって拍手してただろうな、と思いました。
東儀さんがMCの中で言われていたのですが、
被災地に行って、こどもたちのためにコンサートをした、
子供っていうのは反応が素直なので、楽しいと思ったらそのまま楽しんでくれる、
それを見守る大人たちは、やはり心のどこかに、
こんな大変な時に楽しんじゃいけないんじゃないか、って気持ちを抱えているのだけれど、
目の前で、こうしてこどもたちが元気に明るく笑っている様子を見てたら、とてもうれしくなって、
大人も元気が出た、と。
明日のために、未来のために、音楽を届けようと、思われたそうです。
直接であれ、間接であれ、音楽の持つ力は、たしかにあるのですよね。