ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

繁昌亭

kaepole2007-09-23

行ってまいりました、大阪は南森町天満天神繁昌亭
ちゃんとした寄席の場所ですから、入り口の提灯にワクワク。幕の色にワクワク。舞台のしつらえにワクワク。お囃子にワクワク。
この夜は「古今東西歌合戦2007」というタイトルで、ちょっと特別な落語会です。都家歌六さんは江戸の噺家さんで、のこぎり漫談で有名、喜寿を迎えられるとのこと。桂歌之助さんは、今年三代目襲名なされた、上方落語の方。共に「お祝い」の年であり、名前が「歌」つながりってことで、そこに歌六師匠から「のこぎり」でつながるサキタハヂメさんとチチ松村さんがゲストで加わるという、ぜーたくな寄席でした。
内容の詳細は、一緒に行った友人が上手に書いてくれてるので、これ読んでー。
歌六じいちゃん、お茶目さん。ノコギリ漫談は、歌謡ショウって感じかな。右足を貧乏揺すりするとこから始まります。これで音にビブラートがかかる仕組みなんですけど、イントロが流れてるうちから揺すらはるから、可笑しいのよね。あと、幽霊の効果音(?ヒュ〜ドロドロってやつ)の正体って、昔からノコギリなんですってね! それを実演してみせて下さったんだけど、照明おとして下からスポットを当てて「イヒヒヒヒ」とか言っちゃって、すごいうれしそうなの! おでこはピッカリ光ってるしね! 最後に「ぎゃーっ」なんて叫ばはって、見てるこっちはもう、げらげら大笑い。照明点いてから師匠も一声「あはは」だって。ご自身やってて楽しかったんやわ。
音楽のセッションは、チチさんがバンジョー弾きながら歌六師匠に、メロディの入るところやちょっとためるとこなんかを目で合図されるんですけど、師匠、全然見てないし、おかまいなしだし。だいたい、曲目まちがえて練習して来はったらしいですし。そのあとの座談会も、チチさんは師匠のボケっぷりに振りまわされてはりました・・・そしてサキタさんも・・・。すごい天然な方のようです。
ノコギリ音楽ってよく知らなくて、歌六師匠はもちろんのこと、サキタハヂメさんのノコギリ演奏も、この日初めて生で聴かせていただきました。きれいな音が出るものなんですね〜。特にサキタさんの音は、弓を改良されてることもあってか、格段にクリアでした。座談会の中で、歌之助さんもノコギリ演奏に挑戦なさってました。
そして落語。
歌之助さんの最初の演目は「青菜」で、これは先日も観たのだけれど、筋がわかっててもおもしろくて笑っちゃう。中入り後の「七段目」は、歌舞伎の真似事をする若旦那と丁稚のかけあいが、お見事! こういう、芸の要る演目は、誰にでも出来るってわけじゃないんだろうな。やる人によって、話の中の芝居の部分の比重が、違ってきたりするのかな。歌之助さん、歌舞伎舞台にも上がれそうなほどお上手でした。
歌六師匠のもう一席は、飴売りの出てくるお話。これまた、本筋に入る前に、いろんな売り声をもの真似てらして、楽しい。
それにしても、東京の落語と上方の落語って、やっぱり雰囲気が違うものなのねぇ。語り口調が違うせいもあるのかしらね。関東方面にあまり馴染みがないものだから、たとえばアメリカンジョークで笑えないように、歌六さんの落語のオチで何が可笑しいのかわからなかったりしたらどうしよう・・なんて心配してましたが・・・・それは杞憂ってもんでした。
私ね、子供の頃、時代劇が好きでね、最後に印籠出したり小銭が飛んだりするのん、わかっててもそれが良くて見てました。タイムボカンシリーズも、そう。「お仕置きダベぇ〜」ってのがあって、ちゃんちゃん、と終わるのがよかったのね、多分。何かを組み立てた後にネジが一本残ってた、その状況だけで笑える世代ですから。落語にも、なんとなくそういうのに通じる部分があるような気が、しました。
そのうちきっと、歌舞伎も観に行こう。