ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

言舞-コトマイ-

kaepole2009-06-07

うすく木目模様の浮き出たちりめん小紋に、魚籠を描いた沖縄紅型の帯を締めて、大津能楽堂へ行ってまいりました。
Rei works 山田レイさんの公演です。
思えば、レイさんを初めて観たのもここでした。ゲストで踊られてた姿にすっかり魅せられて、以来、年一回はソロライブへ足を運ばせていただくようになりました。
今回は、オイリュトミー秦理恵さんとのコラボレーション。音は、古代笛や笙などの雅楽器等と、唄と語りが、舞台脇で生でつけられます。さらに、狂言仕立てのお芝居を、ニットキャップシアターという劇団の役者さんお二人が演じられたりもして、とっても盛りだくさんな舞台でした。
最初の「星の舞〜黄道十二宮」、初めてお目にかかる秦理恵さんの印象は、空間を分けていく動き、といった感じでした。レイさんは、動く空間に揺り動かされている感じ。
次の「ほたる」は、レイさんの陰陽の世界、全開。いつも思うけれど、背筋が凍るようなヤバい気を纏うのにかけては、レイさん天下一品です。怖すぎます。風の声とも女のすすり泣きとも聴こえるような土笛の音が、臨場感を煽ります。最後の一瞬に、光がさしたように思えたのですが、救いはあったのでしょうか・・。
常世の水〜白比丘尼抄〜」30年に一度、体の中に溜る禍蛇を祓って、不老不死に生き続ける女。羽織るヴェールを紫から赤そして白へ変えて表していきます。古い儀式の雰囲気でした。
そして「芭蕉精」。レイさんのスタンダード作品を、今回は秦さんと二人で舞われて、いつもとまた違った趣のものになっていました。レイさんの、右の手の指先から、白い細い糸が二本、すーっとたなびくのが見えました。
猿楽「河童と若旦那」は、これら4作品の合間合間に登場して、場を和ませる役目をされてました。なかなか楽しかった!
最後に全員で、こきりこ節をデデレコデンと調しながら退場〜。この時に思ったのだけれど、秦さんってきっと、にっこり微笑みながら動かれる作品の方が似合うのではないかと...。オイリュトミーって、よく知らないのだけれど、人に見せるためのものではなくそれぞれ自身のためのものなんだろうなと感じました。
今回は全体に、音と舞がひとつに合っていたのが、すごくよかったです。
開演前に、レイさんからご依頼いただいた秦さんのバースデーケーキを楽屋へお届けさせていただき、会場ではピアニストの河村泰子さんとも再会でき、次いつかレイさんと河村さんの共演がなされることにも期待しつつ、ご挨拶して、帰りました。