ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

「コウレイビトの家」プロローグ


このところの、ポレポレ臨時休業をいただきましての、鳥取帰省の仔細をば。
よくある話なのですが、ダンナの両親に、介護の手が必要となってまいりまして。


まずお父さん。アルツハイマー認知症という診断が出てから2年くらいかな、脳には指2本分の幅の隙間が空いている状態とのこと。とはいえ、見てる分には、ちょいちょい記憶が飛ぶようだけどおおむねしっかりされてます。
それより大変なのは、重度のアルコール依存。ちょっとだけたしなむ、という飲み方がなかなかできないのですね。で、しんどくなるまで飲んじゃって、しんどいから明け方また飲んじゃって。隠してても、自転車で出掛けて、自分でお酒買って来られちゃうんですね。
今年1月、家の中で階段から落ちられ、2月には外で車と接触事故。どちらも骨は大丈夫!という頑健さでもって、お父さん自身は「まぁそんなこともあるわいな」くらいに流しておられますが・・・。


それからお母さん。「間質性肺炎」という、肺がスカスカになっていく難病をかかえておられまして。ふだんから、ちょっと動くと疲れてしまって、よく横になって、荒い息をされてます。時々ひどく咳き込むことも。
そのせいもあって、健康には人一倍関心を持って取り組んでおられます。健康食品や、体に良いと謳われる様々な器具に、一財産捧げ・・・過ぎてます。前向きなのはよいことなのですが、わりとかんたんに信じて、すぐお取り寄せしちゃうんですね。
2月末、肺炎にかかり、4月初めまでの一ヶ月ちょっと、入院されてました。
その間、病院のお母さんと、家で独りのお父さんのお世話の両方を、こまごまとこなしてくれていたのが、実家と同じ市内に住むダンナの妹ちゃんなのですが。


ダンナの兄弟は三人。ダンナが長男で私と大阪に居るでしょ、弟くん家族は京都、そして妹ちゃん家族が鳥取
年明け以降立て続けの階段落ちやら交通事故やら長期入院やらで、一番近くにいる妹ちゃんに皺寄せ、そして当然ではありますが限界がきまして。
三人とも(およびそれぞれの伴侶も)みんな仲は良いので、連絡は常に取り合っているのですが、
全員仕事を持っているので、緊急の際にすぐ駆けつけられるかというと、そう簡単にはいきません。
それで先月、私がダンナの実家に手伝いに帰ってる5日間のうちの一日、ダンナと弟くんにも帰省してもらって、
今後どうしていくが良いか、という話し合いの場を持ってもらいました。


それに先立って、弟くんがうちへきて、まず兄弟間で方針を定めねば、と。
やはり、今の仕事を辞めて鳥取に帰り親と一緒に住むのは、現実問題、難しい。
日本古来あたりまえだったかもしれないけれど・・という心苦しさを抱えつつ。


そして両親の意向。これもあたりまえですが、「家で暮らしたい」と。
子供たちとしては、今のままでは妹ちゃんの負担が大き過ぎだから、彼女が倒れてしまってからでは遅いし、
そのことをなんとかわかってもらって、できればケアハウスに移ってもらいたいのだけれど、
親としては、買い物や病院の送迎を頼むのは「頼み事」のうちには入らないらしく、
妹ちゃんの生活を乱していることには、どう話しても、気付いてもらえない。
我々も、我々の心配を解消するためだけに、親に嫌がることを強いるわけにもいかないし、
でも実際は、「自活できてるから」と言われても、「どこが・・」と、困ってしまいます。


それでまぁ、説得の末、決まったのは、
「寝室を一階に移す」という、
これもう、一言で書いちゃうと簡単そうに見えるかもしれませんけどね、
なんせモノの海な家ですから!
スペクタクルなプロジェクトのはじまりとなったわけです。
(つづく)