たたいて直せ

うちの扇風機は、ダンナが一人暮らしをしている時からの持ち物なので、私が知っているだけでも15年は使っています。見た目も全然古ぼけていないし、まだまだ現役活躍中です。
ただ今年は、使い始めからちょっと元気がありませんでした。風量調整「弱」だと、ものすご〜くゆっくりとしか回らないんです。羽根の形が見えるくらい、回転が目で追えるくらい、そして時々、止まりそうにもなります。たまに外からの風がさぁっと吹き抜けると、完全に負けて止まります。
モーター付近のホコリ掃除を、カバーのネジをはずしてできる限り奥までしてみましたが、変化はありませんでした。
でもまぁ、風力「中」にして使えばいいことですから、どうってことありません。役目は充分にはたしてくれています。
ところが先日、私が不注意でぶつかって、そのがんばってる扇風機を思いっきりぶっこかしてしまいました。しかも仰向けに！　階下の人がびっくりしただろうほどの派手な音を立てたので、一瞬、首が折れたのではないかと思ってあせりましたが、こけたところが畳の上だったおかげか、表面的にはどこも割れたり壊れたりはしていませんでした。あわてて起こして、スイッチを押してみます。
大丈夫。よかった、ちゃんと回ります。
安堵して、しばらく様子を見ていて、・・・そのうち妙なことに気が付きました。
あの弱々しかった「弱」が、なんだかけっこうよく回っているように見えるのです。弱いことは弱いけど、それなりに止まりそうにならないで動いています。気のせいかと思って、夜、ダンナにも見てもらいましたが、やっぱり回転速度がましになっているようなのです。
おそるべし、昔の家電。あなどりがたし、荒療治。いえ事故ですけど。怪我の巧妙？
古くはテレビの映りが悪くなったらバンバンたたいて直すとかありましたが、そんな感じでしょうか。
今時のデリケートな電化製品には通用しないお話です。