哀しい雨

ほらね、雨でしょう？　今日はフルートのレッスン日。
行きの電車の乗り継ぎで待合室に入ると、母親が小学生の息子を大声でなじっていました。テストの答案用紙片手に、なんでちゃんと書けないのかと。時計の針を、5時10分だかを示すように書き込むのに、長い針と短い針の長さの区別がちゃんとできてなくてバツになったらしいです。息子本人はわりと飄々とその罵りを受け流しているように見えましたが、はたで聞いてて居たたまれなくなったので、待合室を出て、寒いホームに立って電車を待ちました。
帰りの電車を降りて改札を出たところで、おじさんが女の人を大声で威嚇してました。ぶつかったみたいです。「こっちがよけようとしてんのにあんたが右に左にワシの方に来るからやろが！」だそうです。よくありますよね、よけあいこ。なんでおじさんが大声張り上げるほど怒るに至ったかはわからないけれど、通りすがりにそんな光景を目にして、なんだか悲しくなってしまいました。
私は小さい頃、よく母に、舌打ちをするような叱られ方をされました。多分、長女だったから期待をかけられていて、でも私がそれに添えなくて、母はもどかしかったんでしょうね。それから両親の仲も悪くて、こどもの目から見ていて大人が大声で喧嘩するのがものすごくこわかった。
そういった記憶が、ふつりと頭をもたげてきます。できるだけ封印して生活してきているけれど、今日のような光景は、そういった記憶の蓋をカギ爪のようなもので引っ掻いてこじ開けようとしてるみたいな感覚に陥り、涙が出そうになります。
私だってプリプリ怒ったりすることはもちろんあるけれど、なるべく心穏やかに過ごしたい。年寄りクサいか〜
今日、午前中に、祖母が亡くなりました。ダンナのおかあさんのおかあさん。今受けている仕事を急ピッチで仕上げて、鳥取に帰ってきます。