ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

友安由香リサイタル

友安由香さんのフルートリサイタルに行ってきました。
以前に私の師匠・樋上裕子センセと一緒にコンサートをされた方です。ムラマツで講師をされてます。
曲目がばりばりのクラッシック揃いだったので、これは果たして私に聴きこなせるのだろうかと思いながらチケットを買いましたが、結論から言うと、行って良かったと思える演奏会でした。
プログラム
 1.モーツアルトソナタハ長調
 2.メシアンクロウタドリ
 3.ライネッケ/"ウンディーヌ"ソナタ作品167
 4.プロコフィエフソナタ作品94
この中で、かなり引き込まれて聴き入ってしまったのが、3曲目のウンディーヌ。これは、人間に恋をした人魚の物語になっています。第1楽章で、人魚ウンディーヌが人間フルブラントに話しかけ、第2・第3楽章で愛の対話があるにもかかわらず、第4楽章はフルブラントが人間と結婚してしまって、悲しい結末。絶望したウンディーヌは「死の口づけ」でフルブラントを殺してしまいます。そんなストーリー。
前に座ってる人の頭で友安先生の姿が見にくかったので、はじめからあきらめて、ほとんどずっと目を閉じて聴いていました。でも、そのおかげで、音から受けるイメージだけに集中できて、想像力に羽が。
終始感じていたのは、波間に漂っているような揺れです。曲が終わってからも、しばらく余韻が残るほどでした。黒い海が体にたぱ〜んとまとわりついているような、その感触が、すごかった。
2曲目のクロウタドリも、深い森の奥に迷い込んで、そこで頭上から降ってくる姿無き様々な鳥の啼き声に怯えてしまってるような、そんな気持ちに。
全曲、暗譜で吹かれてました。技術的にもすごいことですが、曲に対するそれだけの入れ込みが、きっとこちらに伝わってきたのだと思います。
すばらしかった。