ますますぽれぽれな日々

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茶の湯

kaepole2008-06-29

落語の寄席にちょいちょい行くようになりましたのは、昨年の秋、ポレポレの卸先イーハさんで「三代目桂歌之助」さんの噺を聴かせてもらったのがきっかけでした。07/09/09
世間では「ちりとてちん」なるテレビドラマの影響で落語ブームだったらしいのですが、私はその番組を見も知りもしてなかったものですから、あとになって「へぇ〜なんや流行ってたんや〜!」と気付いた始末でした。
最初にみせてもらった歌之助さんがしっかり刷り込まれたもんですから、どうしても歌之助さんの出はる寄席ばかりを選んで足を運びます。そうしながら、一緒に出演される他の噺家さんの高座もみせてもらうにつけ、やっぱり歌之助さんがおもしろいなぁ、いいなぁ、と。すっかりファンな、今日この頃。
大阪には繁昌亭という、毎日寄席をやってる場所がありますので、そこでの独演会に行ったりもしますし(こないだの時は打ち上げにも参加させていただきました)、京都の鰻屋「かねよ」の2階座敷にて、鰻丼付きで聴かせてもらったり、伏見は酒蔵で利き酒会付き、なんてのもありました。あと、うちから自転車で行ける距離の、市の施設が会場になる寄席も定期的にあるので、そこへも気軽に行かせてもらってます。
これまで聴かせてもらった中で、私の一番好きなネタは「茶の湯」。あるご隠居さんが、引っ越した先に茶室がついてるからというので、遠ーい記憶を頼りに茶の湯を始めはるのですが、抹茶でなく青ぎな粉を使ってみたり、泡が立たんからと言って洗濯に使う椋の皮を入れてみたりするので、えげつなーい飲み物ができあがります。そしてそれを長屋連中に振る舞う。当然、えらいことになる。
歌之助さんの高座では、この時のお茶会のみんなの顔や所作が、めっぽうおもしろいのですよ! ここ、お気に入りです。
この噺でもうひとつおもしろいのは、お茶といえばお作法がきっちりしたもの。当然ご隠居さんはそれもデタラメにやらはるんですが、デタラメはデタラメなりに、ずーっとやってるとそれが「型」となって、なかなかどうして、堂々とした振舞いとなってくるもんや、と。これ、妙に納得してしまいました。
最後の方で、ご隠居さんはお菓子まで作ってしまうんですが、うーん・・・これは私は再現したくないですな・・・
サゲもすっきり決まる、よくできた噺やと思います。
噺と関係ないけど、歌之助さんはお召し物がいつもいい色で、素敵です。ご自分に似合うものをよくご存知だし、センスが良いなぁと、毎回、衣装も楽しみにさせてもらっております。