ますますぽれぽれな日々

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お直しは愛情

kaepole2010-07-27

おばあちゃんの着物を、コートに仕立て直してもらいました。
亡くなったあと、タンスの中から何枚かもらってきていたのですが、手入れをしないとそのままでは着られそうになかったので、ずっと気になっていました。
お直しには、そこそこお金がかかります。せっかくの形見だし、なんとか生かしたいという気持ちとの、兼ね合い。それに、着物自体も、お直しするだけの価値のあるものなのかどうか、素人には判断できなくて・・。
二ヶ月ほど前に、着物屋さんから「悉皆屋さんが店に来られますけど、何かご相談したいことありませんか?」とお電話をいただいたので、思い切って見てもらうことにして、一番状態のよさそうな、色柄も気に入っている小紋を一枚、持って行きました。
ゆうても庶民の持ち物です。鼻先で笑われて突き返されたら・・なんて心配もしていました。
ところが、「・・これは能衣装の生地ですよ! こんな手の込んだ織りは、今の時代、もう作られていません。」と言っていただき、びっくり。
昭和35年頃の品でしょう、とのこと。そして、当時にしては珍しい、シックな色味だ、とも。
おばあちゃんもきっと大事にしてたんでしょうね、他の着物みたいに擦り切れてなかったですし、しみも汚れもなく、しつけもかかっていましたから。
「良いものですから、このまま着はったらどうですか?」と言っていただいたのですが、おばあちゃんは私よりさらに小さくて、丈がちょっと短いんですよね・・。羽織ってみて、悉皆屋さんも「あぁ」と納得され、では、なるべくめいっぱい使って、長コートを作りましょう、と話がまとまりました。
羽裏地には、渋い色味のグラデーションになったものを選び、飾り紐はおまかせしてたんですが、可愛いのを付けてくださってました。
眠っていたものが、息を吹き返しました。
嬉しい。
これから永く使っていきたいと思います。
おばあちゃんになるまで。ね。