ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

東京アースダイビング1

今年の夏旅は東京へ行こう、と、わりと早くに決めてました。
ダンナは、出張では時々行くものの、それは仕事なので、気になりながら寄れていない所がいろいろある、と。
私はそもそも何年も(何十年もかも)行ってなくて、ほぼ全く、東京を知らない。
じゃあベタにはとバス乗る?とか、東京タワー登る?スカイツリーは予約要るのん?などなど、
半ば本気、でもほぼ無計画な状態で、出掛ける前々日、
さすがにホテルは取っといた方がよいのでは・・ああ空いてるとこあったよ、よかったよかった、
新幹線は?あーはいはい、けっこう埋ってるな、ああ空いてるとこあったよ、よかったよかった、
前日の夜になってもパッキングしないダンナに、「行くの楽しみじゃないのん?」と聞くと、
満面の得意顔で、「お出掛けは好き。でも準備は嫌い。」ああそうですか。
ならいいんだけど、と思いつつ、朝7時半頃、出発。
11時前に東京駅に着きまして、まずは浅草寺へ向かいました。
私はむかーし一度来たことがあったんだけど、意外にもダンナは初めてとな。

観音さんにお参りをすませましたら、その裏手あたりにある
「弁天」というお蕎麦屋さんで、お昼ごはん。

ここは蛤蕎麦が名物のようでしたが、ブレないわたくしの口は鴨なんばんになっておりましたので、

蛤は酒蒸しでいただきました。でっかいの。身がレンゲくらいの大きさあるよ。
おいしかったねぇとお店を出まして、再び浅草寺を通り抜けながら、

ねぇねぇあれってスカイツリー? ダンナも「知らんけどそうかも」とか言うて
二人してもう興味がないってこういうことかという会話をしてたら、
知らないおじさんに「撮れたかい?」と話しかけられ(私は知らない人から声をかけられることがよくある)。
なので旅の恥はかき捨て「あの塔はなんですか?」とおじさんに聞いてみる。おじさん、目まん丸。
「何って、あれはそりゃあ、有名な・・・」ほら合ってたよ!合ってたね。あはは。
お上りさん楽しんでますーではではとおじさんをあとにしまして、

見えてるし、行ってみるか。見えてても、実は遠かったりしない? んー行けるんちゃう?

歩いて隅田川を越えまして、

着きました。1kmくらいの距離だったかな。
中は案の定、エレベーターに乗る人のすごい行列ができてます。
どうやら90分くらいかかるようなので、じゃあいいや、と、そこらへんの椅子でちょっと休憩して、
次は湯島天神、行ってみませんか、とダンナ。手には、中沢新一著「アースダイバー」。

彼の今回の目的は、これのようです。東京の、昔の地形の名残を、足で確かめること。
昨夜、机の上にポイッと置いてあったので、そういうことか、と思って私もざっと、
行く予定の方面の章を拾い読みしておいたんですけど、
なるほど、これは面白くて、読み出したら止まらなくなります。
たとえばこの浅草あたりは、元々、遠浅の海であった、と。陸地になるまでには長い年月がかかり、
陸となっても石浜だから草はチョロチョロとしか生えてなかった、だから「浅草」。
浅草寺が建った由来の、漁師の兄弟が隅田川に網を打っていると思いがけなく観音像をすくい上げ云々というような伝説なども、
それを裏打ちする当時の社会背景が織り込まれていたり、そこから生ずる、偶然とも必然とも言えるような磁場について触れられていたり。
そして、浅草あたりが海だったならば、海岸線はどの辺だったかというと、
東京はリアス式のような入り組んだ地形で、まずは上野あたりが大きな半島。
それから、湯島あたりも岬だったようです。

「岬」とは、異界との境界にあたる場所。だから突端には、きまって神社が据えられる。
とうきょうスカイツリー駅から電車に一駅乗って浅草へ戻り、
雷門くらいは見ておいたら?とおすすめしまして、

ここからまた少し歩き、田原町駅より地下鉄で移動。

湯島天満宮は高台の上に建っており、ここから御茶ノ水の方へ向かって、いったん下り坂。
下りきったあたり(海面下だったのでしょう)の左手は、

また少し高台になっていて、

神田明神

ここも昔は岬だった場所になるのね。

朱塗りで華やかな雰囲気です。

ここからもう少し行くと、

湯島聖堂

こちらは黒漆塗り。端正な佇まいです。

緑も多く、木が大きい。





今日廻った中ではここが一番好きかな。
さて、もうだいぶ疲れてきましたので、アースダイブ初日はここまで。
コンビニで氷アイスを買ってかじりながら神田川を越え、
もうひと歩きして小川町から地下鉄に乗って、ホテルを予約してる新宿三丁目へ向かいます。
チェックインして荷物を置き、ひと休みしてから、
アルタ前にて待ち合わせのNさんと会い、案内してもらって晩ごはんは、
まず新宿「Il Bacaro」。そのあと赤坂見附「Del Sole」。

どちらもバンコにて立ち飲みしまして、イルバーカロはかなーりリーズナブル。
デルソーレでは居合わせたNさんのお友だちさん方とも盛り上がり、
美味し楽しでございました。

デルソーレといえば、ここのバリスタ横山千尋氏の講習会を受けたことがあったな。