ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

ユング派分析家

フルートのコンサートに行ってきました。
出演は、白石孝子氏率いるカルテット(私の師匠・樋上裕子含む)+ハープ内田奈織さん+河合隼雄文化庁長官。
テーマは「夢」で、「春の夢(シューベルト)」「夢(ドビュッシー)」「いつか夢で(チャイコフスキー)」「夢はひそかに(ダビット)」「夢路より(フォスター)」「夢のあとに(フォーレ)」「愛の夢(リスト)」他、と、よく集めたなぁという曲目でした。
河合長官がフルートをされているのはそこそこ有名かと思います。まぁ、腕前の方はご愛嬌といったところなのでしょうが(失礼)、それでもなかなかどうして、しっかり堂々と吹かれていてたいしたものでした。けれど、このセンセの出演ポイントはフルートではなく、お話タイムです。プログラムのまん中に組まれていて、これがこのコンサートのメインといってもよいかと思われます。
私、河合長官がこんなにおもしろい人だとは知りませんでした。お話をされているのを聞いたことが今までなかったもので。ヘタな漫才聞くよりよっぽどオモロイです。お愛想ではなく真剣に笑って引き込まれました。話の内容もかなり興味深くて、うーん、私じゃうまく説明できないけど、、、大雑把に言えば、寝てる間に見る「夢」は、起きてる時に受けてるストレスを解消しようとしているものであるとか、見る夢の中にはいろんな暗示が含まれているのだとか、そういった、河合さんが専門に研究されていることを、わかりやすく砕いてお話されていました。なるほどと頷きながら、そしてあははと笑いながら、楽しく聞かせていただきました。
楽器にとっては、やはりこの金剛能楽堂はコンサートに向く場所とは言えないみたいですね。雰囲気は好きなのですけれど。私は前から2列めの正面というよい席をいただいていたのでまだよかったのですが、それでも、音がほとんど屋根に吸い込まれてしまってる感じがして、きちんと届いてきませんでした。それがちょっと残念でした。あと、舞台上は靴が履けないから、ドレスなのに足元がストッキングで、ちょっと恥ずかしいかな〜 なんて、見てて思っちゃいました。
裏話として、本日河合長官の使用されていた楽器は、パウエルの木管でした。最近ムラマツのプラチナを買われたそうですが、これは今日は使われていませんでした。ヨーロッパ方面で講演する時に、日本の文化庁長官ともあろう人がアメリカの楽器を使っていたのではちと具合が悪かろう、ということで日本のメーカーのものを購入されたのだそうです。てなことを、たまたま隣の席になったムラマツの大阪支店長から教えてもらいました。ちなみにこの支店長、ハープの内田奈織さんのファンだそうで、彼女がよく見える席を希望したとのことです。はぁ。