ますますぽれぽれな日々

Formerly known as 「ぽれぽれな日々」@はてなダイアリー

宿神vol.2

kaepole2006-06-02

先週土曜は、山田レイさんのソロライブ「宿神」へ。レイワークス
前回、昨年11月に宿神vol.1の舞台を観させていただいた時は、レイさんの創り上げる世界にただただ圧倒されて終わってしまっていたので、あれからずっと、もちょっとより深く浸れたら、との思いを抱いておりました。
今回の会場は、京都の法然院銀閣寺より少し南、哲学の道より少し東にあるお寺さんです。
着く頃にパラパラと雨が落ちてきて、お庭でも踊ると聞いていたので心配していましたが、始まる頃にはあがり、かえって緑が冴え冴えと映ります。
最初に通されたお部屋から、夕刻の庭園を眺めます。室内はそろそろ暗くなり始めていて、開け放たれた3カ所から見える景色はまるで3枚の絵のようです。序の段、催馬楽が流れ、蛙が鳴いて、鹿おどしがはかったかのようなタイミングで響きます。
音楽が変わって、一の段、庭の左奥の方から薄衣を纏ったレイさん登場。地面に少し傾斜がついているので、緑の間を縫って下りながら、素足で舞われます。何も仰々しいことはされず、ただ自然な流れのままに、たおやかにたおやかに。それが美しくて、そう、この人のこういう動きが私は好きなんだ と、あらためて思っちゃいました。ちょっと涙ぐむくらい。
いっぱい余韻を抱えたまま、本堂へ移動して、しばし待ち時間。そして始まる二の段。
先程と一転して、重ーい空気が流れます。鈴の音や赤いライトなどの演出が、すごく効果的。生贄の女の、あきらめと、激しいあがき。水底に沈んでいく様が印象的でした。最後は黒い布に包まれて退出されたのだと、わかってはいても、贄女の実体が無くなってしまったかのような錯覚に陥ってしまってました。こういう芝居みたいなのって、中途半端なことをされると観てて途中で現実に引き戻されてだめなことがあるんだけど、これには思いっきり引き込まれてました。終わって、一の段とまた違ったため息が...。
三の段・芭蕉精。これが、前回も観た、レイさんのスタンダードナンバーです。映像とのコラボは、今回は場所の都合で出来なかったとのことですが、私としては、なくても充分な気がしました。ただそれは、この場所だったから言えることかもしれませんが。私の少ない脳ミソでは、スクリーンの映像とレイさんの動きの両方がいっぺんに入ってくると、情報処理能力が追いつかないんですよね・・・阿弥陀様背負って香の煙のたゆたう中で踊っていただく方が、目がウロウロしなくてよかったです。
終の段・玉手箱は、何かと思ったら大抽選会でした。チケットの半券にナンバーがふってあって、おもしろい趣向でしたね〜。こういうオマケ的なの、けっこう好きよ。素のレイさんが見られるのがいいです。うふふ
これからも、このシリーズは毎回観ていきたいなぁと思っています。踊りの中に込められたたくさんの思いが、ふっとシンプルなかたちで私の中に届く感覚を味わいたいから。まだ、受け手である私にそれだけのものが備わっていないけれど、いつか。